【ゲームも快適!】グラフィックボード(GPU)の選び方【用途別に解説】

自作パーツの選び方

グラフィックボード(以下グラボ)はゲームはもちろん、動画編集にも重要なパーツです。ゲーム性能や動画編集の快適さはグラボによって変わってきます。

グラボにも様々な種類があり、最近ではIntelも市場に再参入してきました。その中でどれを選ぶのか考えなければなりません。半導体の需要が増えてきた昨今、以前にも増してグラボは非常に高価なパーツになっています。

この記事では、自分に適したグラボを選べるように用途別に選ぶポイントを解説していきます。

グラボの簡単な解説

グラフィックボードとは、画像処理専用の半導体チップであるGPU、GPU専用のメモリであるVRAM、ファンやヒートシンクなどの冷却機構を1つにしたパーツです。

GPUのブランドには以下の3社があります。

  • Nvidia社 : GeForceシリーズ
  • AMD社 : Radeonシリーズ
  • Intel社 : Arcシリーズ

それぞれのGPUを使って様々なメーカーが独自のグラボを製造しています。ファンの数やデザイン、出力端子の数、性能の底上げ(OC)などメーカーによって変わってきますが、GPUが同じであれば大きな性能差はありません。

グラボの選び方

ゲーミングPC向けグラボの選び方

ゲームに適したグラボはGeForceとRadeonの2つです。基本的に同じ価格帯であればGeForeceのほうが性能が良いのでGeForeceを選びましょう。

Radeonは光の反射や当たり具合などをリアルに表現するレイトレーシングを苦手にしていますが、レイトレーシング抜きだと、RadeonのRX7900XTXRX7900XT高性能です。性能的にはRX7900XTX(18万)>RTX4080(19万)>RX7900XT(14万)>RTX4070ti(13万)という感じです。

2023年2月現在、GeForceRTX4000シリーズが発売されています。4070tiでも3090tiと同じくらいの性能があり、価格は4070tiが約13万3090tiが約20万と7万円安く、消費電力も3090tiの約半分と圧倒的なコストパフォーマンスを発揮しています。

RTX4090だと3090の約1.5倍のゲーム性能になっています。その分価格も高いですが現状では最強のグラボになります。

GeForceやRadeonに比べるとIntelのArcシリーズは少しもの足りないかなという印象です。ドライバの成熟など今後に期待したいですね。

最高画質設定でプレイする時のグラボと平均フレームレートの目安を表にまとめました。

グラボ RTX4090 RTX4080 RTX4070ti RTX3090ti RTX3090 RTX3080ti RTX3080 RTX3070ti RTX3070 RTX3060ti RTX3060 RTX3050 GTX1660super(ti)
4K
(144fps以上)
× × × × × ×
4K
(120fps)
× × × × × ×
4K
(60fps)
× ×
WQHD
(240fps)
× × × × × ×
WQHD
(144fps)
× × ×
WQHD
(60fps)
FULLHD
(240fps)
× × ×
FULLHD
(144fps)
FULLHD
(60fps)
☆ : 重量級ゲームが最高画質でプレイ可能
〇 : 中量級ゲームが最高画質でプレイ可能
△ : 軽量級ゲームが最高画質でプレイ可能
× : ほとんどのゲームで最高画質でのプレイは厳しい
グラボ RX7900XTX RX7900XT RX6950XT RX6900XT RX6800XT RX6800 RX6750XT RX6700XT RX6700 RX6650XT RX6600XT RX6600 RX6500XT
4K
(144fps以上)
× × × × × × × ×
4K
(120fps)
× × × × × × × ×
4K
(60fps)
×
WQHD
(240fps)
× × × × × × × ×
WQHD
(144fps)
× × ×
WQHD
(60fps)
FULLHD
(240fps)
× × ×
FULLHD
(144fps)
FULLHD
(60fps)
☆ : 重量級ゲームが最高画質でプレイ可能
〇 : 中量級ゲームが最高画質でプレイ可能
△ : 軽量級ゲームが最高画質でプレイ可能
× : ほとんどのゲームで最高画質でのプレイは厳しい

ただし、表はあくまで平均です。エフェクトが重なるなど負荷がかかる場面ではフレームレートは下がります。シューティングゲームなどで常に高フレームレートを維持したい場合はより高性能のグラボを選ぶか、画質や解像度を落とすことも考えましょう。

選ぶポイント

タイトルによって必要なグラボの性能が変わってきます。自分のやりたいタイトルに合ったグラボを選びましょう。

ウェブ検索やYouTubeなどで「Fortnite rtx3080」などで検索すると日本だけでなく海外の方の検証動画などがいっぱい出てくるのでそちらも参考にするといいですね。

注意してほしいのが、高性能のGPUがあってもモニターと映像ケーブルが解像度やリフレッシュレートに対応していなければ意味がないことです。

動画編集用PC向けグラボの選び方

動画編集の場合、グラボの性能とVRAM容量が重要になります。GPUの性能が高いほどプレビュー画面でのカクつきが減り、スムーズな編集ができます。VRAM容量が少ないと、エフェクトを多用したり4K以上の高解像度を扱ったりする際にVRAM容量不足によるエラーが発生します。

特に理由がなければ、GeForceがおすすめです。Radeonはエンコーダの性能があまり良くないのでGeforceやArcと比べると画質が落ちてしまいます。フルHDならGTX1660super、4KならRTX3060(12GB版)以上を選びましょう。

編集する動画の解像度とVRAM、グラボの目安を表にまとめました。

動画の解像度 必要なVRAM 対応グラボ
フルHD60Pの編集
4K60Pの簡単な編集
6GB GTX1660super
4K60Pの編集 8GB~ RTX3060(12GB),3060ti,3070,3070ti,3080(10GB)
4K60Pの複雑な編集 12GB~ RTX3060(12GB),3080(12GB),3080ti,4070ti
Arc A770(16GB)
8K60Pの編集 24GB~ RTX3090,3090ti,4090

Arc A770は動画編集性能としてはRTX3060に劣りますが、ハイパーエンコード(=11世代以降のCoreシリーズ内蔵GPUと連携してエンコードする機能)に対応しているソフトではエンコード性能が高いです。AV1という規格のエンコードにも対応していて、VRAM16GBを搭載しているものはこの価格帯では他にないです。多少の不具合に目をつぶれるなら選択肢に入れてもいいと思いますが、初心者の方にはおすすめしません。

動画編集に必ずしもグラボが必要な訳ではありません。使用している動画編集ソフトがGPUのハードウェアアクセラレーション(動画の読み込みや書き出しなどをGPUが行う機能)に対応していなければ、グラボは不要です。

ただ最近の動画編集ソフトはハードウェアアクセラレーションに対応しているものが多く、グラボがあれば動画編集が快適になることが多いです。

選ぶポイント

自分の扱う動画の解像度に適したVRAMを搭載したGeForceを選びましょう。予算内でなるべく性能の良いものを選ぶとより快適に作業ができます。

フルHDならGTX1660super4KならRTX3060(12GB)以上がおすすめです。

ちなみにNvidiaシリーズ(旧Quadro)というグラボもありますが、高価なプロクリエイター向けのものなのでここでは紹介しません。

まとめ

ゲームでも動画編集でも基本的にGeForceのほうが安定しています。特にゲームに関しては、STEAMが公開しているデータではGeForceユーザーが圧倒的に多いです。Radeonも最新のハイエンドモデルであれば十分選択肢に入ると思います。Arcはまだ未知数な部分が多いですね。

グラボはメーカーで冷却性能やデザインなどが違うので自分好みのものを選ぶといいですね。ただし、メーカーによって大きさや補助電源ピンが異なるので購入前にPCケースに収まるか、電源容量、端子は足りているかを確認しておきましょう。

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